下請け脱却のヒントは「経営地図」で位置を知る

東京オリンピックの開催が昨年より延期となり、あと5ヶ月となりました。
本当にやるの?という状況ですが、私たち国民はその計画について知る由もなく、開催までの残り150日間は
どのような動きで行くのか、コロナで景気が下がり人々の感染疲れ、ワクチンへの不安の中で、何か、人任せというか、覇気がないというか、気合が入っていない気がします。
前置きが愚痴っぽかったですね。
建設・専門工事・製造・ガテン系会社の経営サポートに特化した元請け体質®変革プロデューサーの山口です。
1964年の東京オリンピックの時とは全くもって運営方法や要領が違うと思いますし、また、その委員会の組織や体制って大丈夫?
さて、「組織」がでたところで、本題です。
ある会社(当社事例)は、人・組織の問題で、とても苦労しています。
本題のテーマは、失敗から学ぶ組織作りは「経営目標のための戦略」の後にやる!ということ。
建設・工事会社に限らずですが、ただ、見ていると、いつも残念に思うことが多々あります。
それは、経営状況を把握して、問題点を発見して、人の問題であれば、人事や職務分掌規程の見直しなど、改善に動きます。
売り上げアップも、コスト削減も同様です。
必ず、原因から調べて修復するという、ごく普通にムーブメントを起こすはずです。
これらは決まっていつも、こちら経営をサポートする側は、当たり前のように、社長さんとお話しします。
ところが、社長さんはというと、それを知りながら、一向にお構いなし、ただただ日々の業務に追われ、1年また1年
また借入、またリスケ・・・の繰り返し、
挙句の果てには、人は辞めて去り、入れてもすぐまた辞める。
の繰り返しです。
これは、本当に珍しくなく、私が、中小企業の経営助言という仕事について20年以上経ちますが、変わらない!
本気で変わる人といえば、やり手の後継者ぐらいだった感じです。
そうこうしているうちに、おかげさまで、会社を清算する清算結了という処理を何件も処理してきたことを思い出します。
とても寂しい感じがしました。
何が、それらの経営者に欠けているのかというと:
経営体質を知り、その体質を治すということができない、いつも先延ばしの尻切れトンボ状態
治すは健康と同じです。
ところが、治し方を知らないんです。
この多くの原因は、創業して以来、技術こそ良いものを持ちながら
その技術だけで、営んできた方法、つまり「下請け」依存による収入と支出だけの
概念(*複式簿記とは程遠い)できているからです。
*会計上の基本は経営者は必須です
つまり、一言でいうと「一人親方経営」のまま来ちゃっている。
企業経営はもちろん簡単では、ありません。
事業を成長・発展させていくには、「お金」という事業資金がないと
継続することはできません。
その事業資金をどのようにキープするか、どのように増やしていくか
を真剣に考えなくては、いけないのです。
ところが、
一人親方は、その日の、その月、その場限りに賄いだけを稼ぐみたいな・・・・
なにも一人親方がいけないのではなく、その思考のまま会社経営をしていると、偏ったアンバランスな
経営をやることで上手くいかなくなってしまうということです。
立派な技術をもつ職人ですので全否定しているわけではありませんので誤解のないように・・・・・・です。
このビジネスセンスから遠ざかっていること自体に気がついていないのです。
これで上手く行くはずがありません。
冒頭に出た東京オリンピックの時代、日本は高度成長時代、モノをつくれば売れる、盆暮れにご進物を届けて、定期的に接待すれば、契約は続行(ちょっと古すぎるか)みたいな時代から、かなりの勢いで世の中は変わりました。
ところが、下請け体質でいると、今のままでも通用する。
そこそこ、決まって仕事がもらえるという、甘さが、ついに、いつのまにかボディーブローのようにきいてきて、最後には、
「こんなはずじゃないのに」といってノックダウン。(残念)
それも、そのはず、その甘さの世界観から抜け出せずにいる、外の社会・経済の動向には鈍感で、いつも、ペコペコ仕事をまっている状態で、その外の環境の変化に全く気が付かない。
これが、当社が危惧する、「下請け体質の落とし穴」です。
ご存じの通り、会社は、社員~御客様~関係者で支えあっています。
この経営体質の改善は、とてもシンプルに考えてほしいことがあります。
先ほど、経営の継続には、事業資金が必要ですと言いましたが。
「お金」もちろんのこと、これは、皆さんの事業(本業)を「モノ」として
これらを提供する人々(社員)を「ヒト」が生み出すと考えれば、
まずこの2つに絞って、現在の会社の位置づけ(年商レベル、従業数、業界の発展性など)を確認をする。
次に、組織面や社員のパフォーマンス、労務環境を調べてみてはどうでしょう。
特に、実は、ここで、真っ先に考えてほしいのは、3・5・10年後の会社の将来像を描き、その過程において、もしも社長がそろそろ引退するなら
いつになるのか?の時期を決める必要があります。
まだ若いから、早いよ~ではだめです。
つまり、何が言いたいかというと、No2は誰? その成長度は?
ということです。
その方が誰(候補)かを決め、そして、その方と価値観を有る程度に、共有していく必要があります。
無論やさしくはありません。
生身の人間ですから。
でも、大丈夫です。人間の相互作用である「熱」で伝えることを一度はやってみることです。
ここで、また重要ポイントで、NO2(後継者)?か
と気づき、「ハット」するかしないか???
「ハット」すれば、自ずと経営改善(計画)に動かないはずがない。
ここ大事なんですがいかがでしょうか?
いない場合どうするか?
くれぐれも勇み足となるので、たたむとか、M&Aはこういう時こそじっくり考えてみるいい機会です。
何より、中中このようなことじっくり、真剣に考える時間などないと思いますが。。。
ここは、このような新型コロナ、決算月間近などは是非ともやってほしいと思います。
特に、建設・工事会社業界では、このオリンピック需要とまで言われてきた年を過ぎようとしています。
次世代はこのウイルスの影響で、様子が一変する時代です。
何事も備えあれば憂いなし。
いつまであると思うな親「元請け」と金。
ですね・・・。
当社では、いつも会社の問題点を発掘に使っている独自のツールがあります。
それは「経営」の地図を描き、ビジョンの図式化することを行っています。
右脳の世界でイメージを描いて、現在の会社の外と内の「地図」を描き、一番価値観のあるNo2と共有化を図りながら
左脳を使って「言葉化」してみてください。
*経営地図については、大海原における経営の舵取りを航海地図と羅針盤を可視化したものです。ご興味ある方は、下記問い合わせページにからメッセージをください。
いつも「経営戦略」を怠らないことが重要です。
その戦略は地図が必要であることは、戦国時代や戦争時にも当然必要であったことは紛れもない事実です。
以上、今回は、東京オリンピックの組織委員会を横目でみながら、我が振り直す!
という話題からお話しさせていただきました。
もはや、会社は「元請け体質®」を目指してみてはいかがでしょうか。
今回は【元請け体質への道】Vol.9として、特に後継計画も戦略ということすれば
「下請脱却のヒントは経営地図をまず書きましょう」
次回は、資金管理について!