賃上げ対策は人手不足ではなく人材確保・定着の視点で考える

昨年から我が国において2024年問題をはじめとする労働問題を改善して経済を回すための「賃上げ」を促進する動きが始まり、補助金などでその対策の動きも出ています。
正直なところ、中小企業が今人件費を増やして赤字になって資金不足が続けば、会社は倒産します。
一刻も早く解決策を見つけて取り組まなくてはと思っているはず!
これらの問題を解決するには、上手くいく人材(社員)のパフォーマンスを効果がでる「仕組みづくり」に成功した会社をマネしながら、自社もそのように「新たな働き方改革」を実施することです。
とは言っても、何をどのように?やればいいのか・・・。
ヒントがありました。1昨年前の統計資料ですが(出所:帝国データバンク2023.5.17)からかいつまんで記します。
「人材確保・人手不足の要因に関するアンケート調査」として:
・【人手が不足している要因】では、
「条件(会社の)に見合った人材から応募がない」の回答が1位の55%
「業界の人気がない」45%が2位
そして、面白かったのは
・【人手が不足していない要因】では、
「賃金や賞与の引き上げ」と回答したのは52%で1位
「働きやすい職場環境づくり」が2位で35%
でした。
賃上げと成長安心できる環境づくりに必要なものは何か?
アンケート調査の通り、人手不足を解消するには「賃上げ」と「環境づくり」に絞って取り組めばいいということがわかりました。
では、賃上げといっても、大手企業はいいかもしれませんが、問題は中小企業です。
その給料を上げて人手を確保するといっても、「馬に人参を与えてばかりいれば会社はつぶれます」とてもここの解釈は気を付けてほしいところです。
どうすれば解決するかと言うと、賃上げを叶える環境づくりには「仕組み」を作ることが必要です。
人材の募集から採用、定着そして育成について、そして、いかにして各人が成果をだしながら働いてくれるか、当然スキルや成績が上がって会社利益に貢献すれば、給料や賞与だって上がっていきます。
会社には組織が必要です。そして増収増益の構造を作る上で組織を上手くコントロールできる「仕組み」が必要だということに気づくことからおさらいして取り組まなくてはなりません。
どうやったらこの「仕組み」が上手くつくれるのか?
実はシンプルです。
「売上を上げるための活動」を置き換えて言えば、「成果のでる人材採用、育成するための活動を」するです。
その方法をわかりやすく、「売上を上げる活動」と先ず「成果がでる人材採用」育成版は応用してみてください。
始め一歩として、マーケティングの手法をご紹介いたします。「ロジックツリー」です。
賃上げするには?
ちょっと具体例を書いてみます:
「○○するには?」を連続して自問する内容を列挙していきます。
・現状を先ず知る ⇒ 人件費の推移や平均賃金など
・所内を俯瞰する ⇒ 組織図を作る(振り返る)
・労働分配率を出す ⇒ 部門別に分析・集計する ⇒ どの部門がいいか
・毎年の売上目標と粗利益を振り返り理想の分配率を出す
・各人の給料体系を確認する ⇒ 不公平はないか
・各人の仕事の能力スキルを言葉化する
・賃上げする理由を明確にして
・給料体系を改定する(現状から賃上げ可能額をシミュレーションする)
・改定は昇給もあり減給もある内容を掲げる
これらを参考に会社独自の働き方を改善して業績を上げると同時に給料も上がっていく仕組みをつくる
まとめ
会社には人材育成の仕組みがないと始まらないということです。
「人的資本経営」なんです。
人は消耗品では、ありません。研修費なども使って育てていくことが経営の一つです。
その育て方も「仕組み」として作る必要があります。
会社で一緒に働いて共に成長していくための人材を人財にする育成を怠っているといつまでたっても、業績が上がりません。人材に投資して人財になってリターンを生む資本を作ることが社長の仕事といえます。
例えば建設は工事業ですから、工事原価を抑えてくれる人材を育てる。
利益率の大きい受注を取ってくる人材を育てる。
そして社員同士が仲良く教え合い明るく仲良く元気よく協調性を生むリーダーをつくり、社員の人生と家族までもが豊かになってもらうための経営理念や行動指針がとても重要になってきます。