経営改善の進め方!専門工事業がやるべき住宅リフォーム戦略
コロナ禍はもはやニューノーマル状態。
相変わらず儲からない受注が多いのは下請けだから、とわかっていても、そこから中々抜け出せない。
このままだと不安でしょうがない。
では今後どうしたらいいのか? 環境は悪くてもゾンビ企業だけは避けたい。
利益が取れる受注をもっと増やしたい。
でも、その方法はどうやるのか? 何からはじめればいいのか? 正直わからないし知らない。
建築専門工事会社は人手不足が今後も続き、競合も多い、元請けからの発注も安定しない中で、まずこれをやってみてほしい方法があります!:
・住宅リフォームに目を向けること
・いままで施工・技術が中心だったのをユーザー目線、つまり顧客の「リフォーム提案力」を身に着けること
・そのためには会社の事業体制を整える、むしろ抜本的な「経営改善」に取り組むこと
です。
この取り組みを征したものが建築業の勝ち組になります。
実は、私山口晴一郎(はるいちろう)仕組み化された大手企業の組織で揉まれて9社も転職して15年、会計事務所で15年、また独立後は売上アップのマーケティングや渡米して起業家精神のビジネスモデル構築の経営手法を手に入れた後、建設・建築・専門工事・製造・ガテン系会社の経営サポートに特化した下請け脱却プロデューサーとして、今までの中小建設業の経営体質の改革のお手伝いしてきました。
今回はその相談内容から「町の水道工事会社」の成功事例を基に解説していきますので、少しでも参考になれたらうれしく思います。
利益を増やしていくための方法をおさらいする
あまり、大声で口にしたくないのですが、今の税理士の助言を鵜吞みにしないでください。
というのも、私も元15年の会計人でした。
会計事務所のことは熟知していますので他の先生方のあらがよく見えてしまうんです。
ですが、あえて言います!
「利益拡大」の理屈や方法論は理解していても、その方法をどこに向けるかで、経営の財務バランスが大きく変わってしまうことだってありえるんです。
特に多くは「コスト削減」や「会計・財務の理屈っぽい話」といったアドバイスがそうです。
少なくとも先生方も建築業の請負構造を知った上で
「売上アップ」で儲けましょう!
なんていう人は少ない!
というのが理由です。なぜでしょう?その辺の話しが本業外だからです。
そうです。ここが大きな勘違いです!
「利益拡大」の経営改善の方法は、大きく3つしかないのをご存じでしょうか?
1つは売上拡大
2つ目は原価改善
3つ目は販管費の削減
です。
2と3は概ねコスト削減の話しになりますが、「売上拡大」という会社の成長軸を考えてみると、売り上げを作っているのは、お客様です。
そのお客様をどうやって増やすか、どうすれば、もっと再受注の頻度が増えるか。
ここは、さらに「新規」と「既存」に分けて考えていくマーケティングのことになりますが・・・・・。
税理士はこの1.についてもノウハウをもたない!(または持つ人が過少)
いかがでしょうか。
いまの会社に必要なのは、3つの内どれですか?
ここをもう一度おさらいして間違いないようにしてください。
現在の下請けポジションを知って元請けになる戦略をはじめる
それは、多能工戦略と直接受注をとるためのマーケティング戦略を練る
下請けのポジションでは、必ず限界がくることに反論しない人以外は、もはやすぐにでも取り掛かるべき経営者に向けられた「集中と選択」の考え方だからです。
先ほどもいいましたが、ビジネスはお客様あって成り立つものです。
いまは元請けが大切なお客様でも、その元請けにとっては、施主さんがお客様です。
1or2クッション入っただけここの構造を理解すれば、いつまでも利益が小さい下請け体質の経営では、先が見えている。
ということ。
これからは、お客様を本当に満足させられるのは、専門工事会社である自分たちである!
という、本質的なビジネスマインドを高く意識づけすることが成長する会社の条件だからです。
上の図をみながら住宅リフォーム工事の事例で説明します。
まず、建設業の請負構造からみていくと、ご存じの通り、専門工事業は27種あって、そのうち、リフォーム工事に携わる工種といえば、この図のあるように
「設備系の専門工事」
「職人(技術)系の専門工事」
とがあります。
これは私が勝手に分類分けした呼び名です。
今回の会社の事例では、いままで水道設備工事等の水回りのトラブル修繕が主な仕事をしていました。
きっかけは、当社に相談した際に、随分と住宅環境のこと、施主さん(奥様)とのキッチンに関する使い勝手の良し悪しのやり取りで、いろんな情報を得ていることがわかりました。
これを会社の強みとしてリフォーム工事に比重を置くように勧めたところ、社長はそもそも器用で腕がいい、提案力も情報を多くもっているから、とても腑に落ちる説明ができる。
そこで、電気工事の資格を取って、ちょっとしたDIYテクニックを付加して、リフォームの中でも
「キッチン」スペース
を専門にコンセプトを持って本格稼働、ガッチリ儲かり中です。
イメージ図は下の通りです。
ここに目を付けた社長も素晴らしいですが、そもそも、いとも簡単に電気工事の資格を素早く挑戦してものにした、経営者としてリスペクトせざるを得ません。
上の図にあるとおり、もちろん、直ぐにはできません。
経営を改善していく時間をつくる必要があります。
そして、これらの時間は掛かるけど成就したことを想定した戦略、つまり事業の企画とそこにむけた計画をつくる必要があります。
ところが、毎日忙しくしている専門工事会社は、これをやりません。
やらない、知らないのです!!
まとめ
下請けで行き詰まりを覚えた社長が決断した、リフォームへ本格参入でビジネスモデルを改めて再構築して成功した事例には、必ず、現状を知り、目標を持ち、そこに向けた行動計画をつくり、その一つひとつを着実に実行していくしかありません。
専門工事業がやるべき経営改善の進め方をリフォーム工事で置き換えるとチャンスはたくさんあるはずです。
例)造園と外構、防水と塗装、内装とインテリア、設計と古民家改造、大工と電気とリモートワーク・・・・・
あるいは、日々大箱案件の設備工事のこまかい作業を住宅に「置き換えて」考えてみる・・・・
けっこう楽しいものが浮かび上がってこないでしょうか?
ときには、いろんな人のアイデイアをききながらやるのもいいかもしれません。
もし、自社の強みに住宅リフォームで発揮できる「何か?」があれば
それは、いろんな工種のコラボレーションで成功するロードマップをつくれると確信します。
それがわかれば、あとは顧客を集客して儲かる仕組みをつくっていきます。
この方法は、マーケティングです。
そして、これらの活動していくための、会社の「経営改善」こそが、最初のやるべき準備段階であり初めの一歩として必要になります。